「三菱のエコキュートで電気代を安くしたいけれど、節電モードの『1』と『2』は何が違うの?」
「節電モードに設定したら、なぜかお風呂に入っている最中に勝手に沸き増しが始まって困っている……」
三菱のエコキュートには便利な省エネ機能がついていますが、取扱説明書を読んだだけでは具体的な違いや、生活にどう影響するかが分かりにくいですよね。
実は、良かれと思って設定した「節電モード」のせいで、逆に電気代が高くなってしまう“落とし穴”が存在します。
どんなに優れたシステムであっても、その性能を十分に発揮するためには「正しい条件」を満たす必要があります。表面の謳い文句だけで判断して条件を無視してしまうと、思わぬ逆効果になりかねません。
たとえば、燃費性能に優れたハイブリッドカー。ガソリン車より車体価格が50万円高くても、年間2万キロ以上走る人なら数年で元を取れますが、年間数千キロ程度しか走らない場合は元を取るのに20年以上かかり、トータルで損をしてしまうことがあります。これと同じことが、エコキュートの節電モードでも起きているのです。
ご紹介が遅れましたが、私は元電子機器メーカーの技術職としての知識を活かし、家電や電気機器の機能・性能をロジカルに徹底調査して発信しています。
この記事では、技術者の視点から「節電モード1と2」の構造的な違いを解説するとともに、多くのユーザーが悩む「入浴中の勝手に沸き増し」が起こるからくりと、お湯切れを防ぎながら最も電気代を安くする正しい設定方法をわかりやすく解説します。
三菱エコキュート「節電モード1」と「節電モード2」の決定的な違い
三菱エコキュートの節電モードは、過去2週間のお湯の使用状況(学習データ)をベースにして、夜間に沸かすお湯の量を通常よりも少なく抑える機能です。
レベル1とレベル2の最大の違いは、「どれだけお湯の量をセーブするか(削減量)」にあります。
| 設定メニュー | 沸き上げ量の特徴 | 消費電力の削減目安(※2人住まい例) | お湯切れのリスク |
| 節電モード「切」(通常の「おまかせ」) | 過去2週間のデータから、十分な量を夜間にしっかり沸き上げる。 | 基準(0) | 極めて低い |
| 節電モード「1」 | 通常の「おまかせ」より、ややお湯の量を抑えて沸き上げる。 | 約40Wh / 日 減 | ややある(湯量がタイトになる) |
| 節電モード「2」 | 節電モード1よりも、さらに限界までお湯の量を減らして沸き上げる。 | 約90Wh / 日 減 | 高い(お湯が足りなくなる可能性大) |
節電モード2にすれば、確かに夜間の消費電力は最も少なくなります。しかしその分、タンクに貯まるお湯の量は「常にギリギリか、やや足りない状態」に設定されてしまいます。
【要注意】節電モードが招く「入浴中の勝手に沸き増し」の罠
ネットの口コミや知恵袋などでよく見られるのが、「節電モードにしたら、お風呂に入っている最中に自動で沸き増しされてしまう」という不満です。
「お湯が足りなくなる前に先回りして沸かしてくれているなら親切なのでは?」と思うかもしれません。しかし、これこそが電気代を跳ね上げる最大の罠なのです。
なぜ入浴中に沸き増しが始まるのか?
三菱エコキュートには、タンク内の残湯量が基準(おまかせ設定時はシャワー約1回分にあたる約80L)以下になると、完全に湯切れして水になってしまうのを防ぐため、自動で「湯切れ防止わき増し」を行う安全機能が備わっています。
節電モード(特に2)にしていると、夜間に沸かしたお湯の量自体が非常に少なくなっています。そのため、夜にお風呂のお湯はりをして、家族が1〜2人シャワーを使った時点で、残湯タンクの目盛りが一気に安全基準以下まで減ってしまうのです。
逆に電気代が高くなる仕組み
エコキュートは「夜間の安い電力でお湯を沸かすから電気代がお得になる」家電です。
しかし、入浴中(夕方〜夜)の時間帯は、まだ電気料金が割高な時間帯です。
- 節電モードのせいで、夜間に安く沸かせるお湯の量をケチる
- 夜、お風呂を使っている最中にお湯が足りなくなり、エコキュートが危機を察知する
- 電気代が最も割高な時間帯に、大急ぎで自動沸き増し(ヒートポンプ運転)を開始する
結果として、夜間に浮かせた数十円の電気代よりも、夕方〜夜間に勝手に沸き増しされた電気代のほうが多くなり、「節電しているつもりが、トータルの電気代は高くなっていた」という本末転倒な事態が起こります。
お湯切れと無駄な沸き増しを防ぐ!わが家に最適な設定ロードマップ
お湯切れのイライラと無駄な電気代を防ぐためには、世帯人数やライフスタイルに合わせて正しくモードを使い分ける必要があります。以下の基準を参考に、リモコンの設定を見直してみましょう。
1. 「節電モード:切(通常の『おまかせ』)」が向いているご家庭
- 家族人数が3人以上
- 友達や親戚が泊まりに来るなど、日によってお湯の使用量にバラつきがある
- 冬場にお湯が足りなくなるのが不安
毎日バスタブにお湯を張り、複数人がシャワーを使う一般的なご家庭は、迷わず節電モードを「切」にしてください。おまかせモードにしておけば、過去2週間のデータを学習して、夜間の安い電力だけで翌日分のお湯を「過不足なく」きれいに沸き上げてくれます。結果的に日中の無駄な沸き増しがゼロになり、電気代が最も安定します。
2. 「節電モード:1」が向いているご家庭
- 夫婦2人暮らし、または単身
- 毎日使うお湯の量がほぼ一定で、シャワーの時間も短い
- 通常の「おまかせ」だと、いつもタンクにお湯が余ってしまってもったいない
お湯の消費量が少なく、ライフスタイルが完全にルーティン化している少人数世帯であれば、節電モード1が効果を発揮します。お湯を余らせることなく、夜間の電気代を効率よく削減できます。
3. 「節電モード:2」はどんな時に使う?
長期間お風呂を使わず、お湯の使用量が極端に少ない時
節電モード2は、一般的なファミリー層が普段使いするとほぼ高確率で「入浴中の勝手に沸き増し(割高な電気の消費)」を誘発します。そのため、基本的には日常使いをおすすめしません。
まとめ:正しい設定で「本当の省エネ」を実現しよう
三菱エコキュートの節電モードは、文字通り「お湯を節約するモード」ですが、「夜間の沸き上げ量を減らすだけで、日中の自動沸き増しを禁止するわけではない」という点を理解しておくことが大切です。
もし、現在の設定で入浴中の沸き増しが頻発しているなら、まずは節電モードを「切(おまかせ)」にするか、レベルを「1」に落としてみてください。日中の割高な沸き増しがピタッと止まり、翌月の電気代が安くなるのを実感できるはずです。
当サイトでは、自宅の家電個々の電力を測定する方法や、節電システムに関する記事も掲載しています。
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